モザンビークの保健省局長、人材養成校校長らを研修員として受け入れ

加藤 誠治 教授
国際連携研究戦略本部

国際連携研究戦略本部では、国際貢献・国際協力の一環として、平成24 年度より、JICA 九州からモザンビーク国別研修「保健人材育成機関教員能力強化プロジェクト」を受託しています。本研修は、長崎大学の各部局、長崎県、県央保健所、長崎市医師会看護専門学校、九州医学技術専門学校、平戸市民病院、など多くの機関にご協力いただき実施しているものです。今年も1月18 日から1月31 日まで下表の9 名を受け入れました。

モザンビークでは、内戦終了後、喫緊の課題である医療従事者の人材育成分野において、医学技師、予防医学、看護、母子保健看護、薬剤技師および臨床検査技師コースを優先分野として位置づけられています。

今回では昨年同様、全国及び地方の保健医療行政制度の概要、看護師等の教育システム、内容、卒後研修等に関して知見を深められる研修プログラムを組みました。研修終了時の報告会では、各研修員からは以下のようなコメントがありました。

  • 県央保健所でのStop TB の移動検診車を視察させてもらったがとても参考になった。
  • モザンビークでは看護師は2 段階の資格しかないが、日本では専門的なステップ・アップの道もありモザンビークでも取り入れて行きたい。
  • 日本があらゆる可能性について対策、対応を考えていることが素晴らしく是非モザンビークもそうしたい。例えば、大学病院でのエボラ対策に関して医療従事者の着脱方法の訓練を視察出来たのは良かった。
  • 大学病院での院内感染の取組は大変良かった。又、実習施設が整っていて大変参考になった。
  • 平戸における食生活改善活動について、その自助努力に驚くと共に大変参考になった。コミュニティの健康改善への参加、仕事への取組み、時間を守ること、施設及び街が非常に清潔である。
  • 日本の歴史は闘いの歴史であると感じた。自分が10 代の時に日本に原子爆弾が落とされたことを聞いたが、爆心地に来ることが出来るとは思わなかった。原爆資料館の訪問に参加して良かった。日本の歴史を知ることが出来たことは良かった。
  • 原爆資料館、平戸でのオランダ、ポルトガルとの交流の歴史等、日本及び長崎の歴史に触れることが出来たのは良かった。
  • 日本の運転手さん達の事故防止の意識は素晴らしい。歩行者にも配慮している。

今回も受入時期が1 月末の寒い時期でしたが研修員全員、体調を崩すことなく約2 週間の研修を無事終えることが出来ました。帰国後の彼女/彼らの活躍を大いに期待しています。

又、今年の研修でも、本学医歯薬学総合研究科教授の大西先生、同じく医歯薬学総合研究科兼大学病院感染制御教育センター教授の泉川先生、大学病院看護部の貞方副看護部長、病院へき地病院再生支援・教育機構准教授の中桶先生には大変お世話になりました。こうした学内の先生、看護師の方々はじめ関係者の皆様のご協力抜きにこの研修を語ることは出来ません。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

CICORNニュースレター第5号(平成27年3月号)掲載記事
http://hdl.handle.net/10069/35132