アラブ首長国連邦Na jahフェア参加報告

冨田 髙廣 室長補佐
国際連携研究戦略本部

平成26 年10 月25 日~ 11 月1 日にかけて、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで行われたNajah Fair 2014 のジャパンパビリオンへ大学として出展した。長崎大学としてはASEAN やアフリカ学生の受入に重点を置いて来たが、シルクロードで繋がる中央アジア・中東地域の学生受入も積極的に検討したい、との本部長の考えから初出展したものである。なお、経産省資源エネルギー庁が本フェアーの補助を行っており、本学の他には12 の国公私立の大学が出展していた。主に高校生を中心に就職・進学ガイダンスのようなフェアーでUAE の国営企業や海外の大学も多数ブースを設置していた。

中東での日本の高等教育への関心については、UAE が国策として工学、経済・経営、政治・法律といった分野を重視していることから、これらの英語コースの有無が主な関心事項となっているようであった。また、culture としての日本のアニメには、多くの学生が興味を持っており、日本語を学ぶモチベーションとなっているようであった。ただし、日本語教育をアブダビで実施している機関は数えるほどしかなく、日本語で実施する日本の大学に直接入学することは厳しい感を受けた。また文化的な違いによる留学への抵抗(特に女子学生は両親の理解が得られにくい)もあるように感じた。

さて、本学で実際に中東からの学生を受け入れられるか、について、可能性は十分あると感じている。長崎は異文化への許容・理解のある地域特性(食べ物や礼拝への配慮は大学として準備が必要)、現在実施している留学生への日本語教育の高い評価、内容の充実に加え、英語で実施するショートコース・短期プログラムの新設により、日本で学ぶことの良さや楽しさを伝えるような工夫を全学的な協力得て、実施できれば学生受入の拡充や英語コースの充実にも繋がる可能性を秘めていると考える。

情報収集としては、ロンドンに本校を構えるGrafton College からは学生の短期交換プログラムについて、Northern Arizona University は日本の大学の職員の受入れを行っている旨の話を聞けた。他にも、三菱商事のアブダビ駐在事務所長からは、アブダビからのツアー一行の工学部見学の依頼(日本の先進研究の状況等)などがあった。帰国後にはアブダビでマングローブ植林の研究を20 数年実施されていたアブダビ環境省の専門家である玉栄茂康氏と連絡が取れ、国際連携セミナーとして現地での活動を講演いただく機会につながった。

大学の国際化につながる案件は多く埋もれており、教職員が多忙である中、どの程度注力できるかにもよるが、進めるべき大学の目標として実施部局と協力して取り組んでいくことが国際化を戦略的に支援する我々戦略本部の使命であると再認識した出張であった。

CICORNニュースレター第5号(平成27年3月号)掲載記事
http://hdl.handle.net/10069/35132