– 海外拠点便り – ケニア拠点

一瀬 休生 教授
熱帯医学研究所 ケニア拠点

長崎大学熱帯医学研究所ケニア拠点は2005年に文部科学省特別経費によって設立され、現在は「熱帯病・新興感染症臨床・疫学研究プログラム-アフリカと日本を結ぶ教育研究体制の構築-」のため、引き続き活動を継続している。本事業の目的は、熱帯地ケニアに感染症の研究拠点を構築して、熱帯感染症や新興・再興感染症の研究レベルを上げ、実際に病気が流行っている場所で、現地の研究者と共に長期間滞在しながら調査研究を行い、ケニアと日本の若い研究者を教育し、研究成果を現地に還元することである。

ケニア拠点は、ナイロビ拠点オフィス(写真1,2)、P3ラボなどの研究室及びケニア中央医学研究所(KEMRI)本部の生産部門のラボ、更に地方にある3か所のプロジェクトサイト(スバ、クワレ、ブシア)の合計6か所の施設で構成されている(写真3)。

本事業は日本人スタッフ約20名とケニア人スタッフ85名によって支援され、現在、寄生虫、マラリア媒介蚊、下痢症、ウイルス感染症(「ケニアにおける黄熱病およびリフトバレー熱に対する迅速診断法の開発とそのアウトブレイク警戒システムの構築」SATREPSプロジェクト)、多重血清診断(顧みられない熱帯病(NTD)を対象とした多重感染症の一括診断法の開発プロジェクトと社会実装、JSTの科学技術戦略推進費)、母子保健、結核、口腔健康調査、マラリア撲滅、真菌感染症など10分野の研究グループとJICA草の根技協プロジェクト(平成24年開始)が拠点を活用しながら、公募研究者と協力して熱帯病・新興感染症の予防治療に資する研究を行っている(写真4)。

2010年4月、長崎大学はケニアに長崎大学アフリカ拠点を併設し、学内他学部の参入を可能にした。現在、歯学部が歯科保健調査をビタ地区で開始する一方、水産学部、工学部、医学部保健学科は「ビクトリア湖における包括的な生態系及び水環境研究開発プロジェクト」の立ち上げを目指している。これからは熱帯感染症対策だけではなく、種々の研究分野から多くの若い研究者が結集して、地域住民の健康増進と生活向上に資するような研究活動が展開できるような基盤つくりを進めていきたい。また同時に感染症情報のみでなく、様々な分野の熱帯の現地からの情報発信基地として貢献していきたいと考えている。

長崎大学アフリカ拠点オフィススタッフ P3ラボ

CICORNニュースレター第1号(平成25年5月号)掲載記事
http://hdl.handle.net/10069/34012

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