ケニア「ビクトリア湖における包括的な生態系及び水環境研究開発プロジェクト」キックオフミーティング

俵 ともか
熱帯医学研究所

2014 年2 月3 日、水産学部と工学部およびケニアのマセノ大学による共同事業「ビクトリア湖における包括的な生態系及び水環境研究開発プロジェクト」の開始に併せてキックオフミーティングが開催されました。ケニア環境省、首相府、在ケニア日本大使館、JICA ケニア事務所などの代表者、5県の知事、マセノ大学関係者らが出席し、本学からは学長をはじめ、両学部の教員、アフリカ拠点関係者など約150 名の出席者がマセノ大シティキャンパスのあるキスムに集まり、プロジェクトの開始を祝いました。会議ではプロジェクトの概要を紹介したほか、活動に参加するBeach Management Unit(日本でいう漁協)を訪問し、市場の現状を視察しました。会議の合間の昼食では、ビクトリア湖でとれた魚料理が並び、ケニア風に調理された魚はとてもおいしく、湖の恵みを実感しました。多くの出席者たちにとって、ビクトリア湖の現状課題を見つめ、湖がもたらす恩恵とその未来をあらためて考える日となったのではないでしょうか。飲料水をはじめ、水産物、漁業など住民にとって、生きていくうえでなくてはならない湖です。安全な水を飲みたい、おいしい魚をたくさんの人に食べてもらいたい、という希望がビクトリア湖の水質改善と資源回復へのエネルギーにつながっていくのだと思います。このプロジェクトは2 年間の予定で、活動の拠点としてマセノ大キャンパス内にオフィスと実験室を設置し、長崎大学側から4 名のスタッフが常駐しケニア側参加機関と協力しながら進めていきます。途上国が、発展にともない直面する環境問題に、学部を超えて取り組む画期的なものとなる今回のプロジェクト。拠点の一員として、精いっぱい支援する思いです。

記念撮影 市場では女性たちが魚を調理して販売する 整備中の実験室 市場にはテーブルと計りがあるだけ 冷蔵庫など保存機能はない
片峰学長のスピーチ ホテイアオイの様子を見る片峰学長と寺田大使 概要を説明する水産学部の松下教授 運営スタッフ

CICORNニュースレター第4号(平成26年4月号)掲載記事
http://hdl.handle.net/10069/34255