アジア、アフリカ、中米からの感染症対策の従事者12名を長崎で研修

平岡 久和 准教授
国際連携研究戦略本部

長崎大学では、国際協力機構(JICA)の研修員受入事業により、アジア、アフリカ及び中米の11カ国から、感染症対策及び施策に携わる行政機関から12名を約3週間、課題別研修「感染症対策行政」研修実施のために受け入れました。

中華人民共和国、エジプト、エチオピア、ガーナ(2名)、インド、インドネシア、ケニア、パキスタン、パナマ、南スーダン、ザンビアから12名が来日し、8月19日から9月8日まで研修を受けました。前半は東京で厚生労働省や感染症行政関係機関を訪問し、日本の感染症対策の法律や実施体制を学びました。後半は長崎にて実際の感染症対策の現場視察を進め、日本の感染症対策の制度と取組を理解しました。さらに、自身の職場における感染症対策の改善にむけて、帰国後の活動計画の立案を行いました。

帰国後の活動計画としては、幅広い地域から業務内容が異なる参加者だったため、「日本脳炎の予防接種活動の向上」「C型肝炎ウイルスの感染者減少」「結核発見の推進」「病院での院内感染防止」「突発的感染症発生のサーベイランス対策構築」「マラリア予防のための住民行動改善」など、様々な課題に対する取組みが紹介されました。

研修員は、本邦で立案した計画をもとに、早速所属組織内での研修成果の発表、活動実施のための予算措置への働きかけなど、帰国後の活動を開始しており、その活動成果の発現が期待されます。

本研修は3年前から受入がされており、東京、長崎の多くの機関のご協力により、無事に終了することができました。研修員全員が研修コース内容を高く評価し、この研修成果を必ず自国に戻って活用していくと確固たる決意を胸に帰国いたしました。充実した研修の実施にご協力頂きましたすべての機関、皆様に厚く御礼を申し上げます。

検査室での検査状況を実際に見て学ぶ 病院での感染制御を実践する研修員 感染症検査室視察時の研修員 活発な質疑応答がなされた

CICORNニュースレター第6号(平成27年12月号)掲載記事
http://hdl.handle.net/10069/36064