LAVICORD Project会議に参加して

滋賀大学環境総合研究センター特別招聘教授 中村正久
2016年9月16日

この度は、LAVICORDプロジェクト会議にご招待頂き「Integrated Lake Basin Management (ILBM):Introduction and the State of Application」と題する話題提供の機会を得たことについて、長崎大学、マセノ大学関係者をはじめとする多くの方々に深謝の意を表したく思います。水産学、水工学の各研究グループからバイオフェンスやリサイクルシステムの開発研究や漁法、養殖、ポストハーべストの具体的な研究課題に焦点を当てたLAVICORDプロジェクトについて、具体的な成果物と共に、研究機関のキャパシティの向上や人材育成の状況に関しても、ビデオ映像や講演、さらにはポスター発表で紹介されました。会場及び現地視察を通し、政府関係者をはじめ、地元の自治体や研究機関、更には事業者を含む多くの関係者が相互に活発に交流されていました。このプロジェクトが長崎大学熱帯医学研究所の長年にわたる世界的な学術貢献や国際支援という基盤に支えられたものであることが実感されました。

一方、私が話題提供したILBMプロジェクトは、平成15年から17年にかけて滋賀県にある国連環境計画(UNEP)連携機関、国際湖沼委員会(ILEC)が取組んだ日本初のGEF(Global Environment Facility)プロジェクト「Lake Basin Management Initiative (LBMI)」プロジェクトに端を発しています。LBMIプロジェクトは、その後、滋賀大学・滋賀県立大学・ILECの研究協力協定の下で文部科学省特別教育研究助成をはじめとする様々な支援を受けて今日まで続けられており、今般提供したのは、ILBM概念の紹介と共に、ケニア政府関係省庁、現地研究機関やNGO及び流域住民の協力を得てビクトリア湖はニャンザ湾(ケニア)、大地溝帯にあるナクル湖、バリンゴ湖などを対象に行った流域ガバナンスの向上を目的するILBM関連の調査研究成果の一端でした。この具体的な中身は、8月27-28日にナイロビのUNEP本部で開催した第6回TICAD会合のサイドイベント、「International Symposium for Integrated Lake Basins Management (ILBM) in Africa, and International Workshop on Application of ILBM-ESSVA for Three Kenyan Lakes」で詳細に紹介しましたが、そちらにはLAVICORD関係者の参加を頂きました。

LAVICORDプロジェクトは今年度を持って一旦完了すると伺いましたが、ケニア側のカウンターパートであった組織や人材が今後この成果や経験をどう生かしていくのか、それをどの様にPost-LAVICORDの形で支援していけるのかは長崎大をはじめとする日本の関係者の重要な関心事だと思います。ILBMプロジェクトの方も、ケニアのみならず東アフリカ諸国において、政府や地元自治体、ひいては流域のステークホルダーグループの自律的取組みを細く長く支援しくには今後どういったことが必要かつ可能かは同じく我々の重要な関心事です。今後、そういった試行錯誤の機会を通して長崎大プロジェクトとの緩やかな連携が可能となることを期待する次第です。